2008年3月8日土曜日
南米パンタナール(ブラジル)-1
鳥を見る、自然を観る、地球を診る世界旅は、ここ南米の秘境Panatanl(パンタナール)への一人旅で始まる。パンタナールは、総面積23万平方km、ちょうど日本の本州に匹敵するブラジル、パラグアイ、ボリビア3カ国にまたがる大湿原で、雨季には、パラグアイ川及びその周辺の河川が氾濫し、70%が水没、交通はもっぱら船に頼ることになる。一方、乾季には、干上がった大地のあちこちに大小様々な湖沼ができ、その周辺に沢山の鳥や動物が集まってくる。特に水鳥は、繁殖期とも重なっていくつもの大コロニーが形成される。1991年4月、ブラジルのサンパウロ国際空港を発ち、南マットグロッソのカンポグランジを経てクヤバ(南米大陸のほぼ中心に位置する)空港に到着したのはちょうど昼ごろ。そこから高速バスにゆられて約3時間、パラグアイ川近くのカセレス(かつて、金鉱で栄えた町)に着いたのは4時を過ぎていた。30分以上待ってやっと迎えの車が来て、それでパラグアイ川の船着場まで行く。そこから小さなエンジン付きのボートに乗り込み, パラグアイ川を下り、途中でジャウル川に入り上流へと遡ること2時間、とっぷりと日が暮れ, とうとう真っ暗闇の中を走ることになる。たくさんの支流をより分けて進むのには相当な経験が要るとのこと、頼りは、月明かりにかすかに見える川沿いの森の姿、シルエットで、これほどに心細い思いをしたのは始めてである。はるか遠くに宿泊ロッジの小さな明かりを見つけて、やっと胸をなでおろした。ここBarranquinhoのグアバの茂る農場ロッジに3泊4日滞在し、雨季が終わったばかりの南米秘境での鳥見を初体験することになる。
雨季がちょうど終わった後のJauru川は相当水嵩が増していて、オオミドリヤマセミ(Amazon kingfisher)の巣穴もかなり高いところに作られている。巣穴はいたるところにあり、モーターボートが近くを通ると,一斉に、けたたましい鳴き声とともに飛び出してくる。
一本の木に9羽のカワセミが止まっている光景は壮観である。
ここBarranquinhoロッジ周辺やパラグアイ川、ジャウル川で見た鳥は、最初の写真にあるナンベイアオサギ(日本のアオサギよりふた周りほど大きい)、ダイサギ、ユキコサギ、ナンベイヒメウ、クロハサミアジサシ、ナンベイレンカク、カンムリサケビドリ、アマゾンカッコウ、オニオオハシ、ミドリヤマセミ、オオミドリヤマセミ、カラカラ、ミサゴノスリ、クロコンドル、キゴシツリスドリ、コウカンチョウ、キバシコウカンチョウなどである。その他、世界最大のげっ歯類であるカピバラや小型のワニ(Jacare)、川の浅瀬に潜んでいるシビレエイなど見るもの総べてが珍しく、南米の秘境の魅力にとりつかれ、再度、1995年に家族でパンタナールを訪れることになる。
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